消費税の課税事業者に該当した場合、その計算方法には原則課税と簡易課税という2種類があります。
それぞれの課税方法の違いと節税効果については以下の通りです。
1. 課税方法
(1) 原則課税
(売上高×消費税率)-(仕入高×消費税率)
(2) 簡易課税
(売上高×消費税率)-(売上高×消費税率×みなし仕入率※)
※みなし仕入率は、事業の区分により90%~40%まで6つの区分でそれぞれ定められています。
2. 節税効果
(1) 原則課税
還付金が受けられる可能性がある
→簡易課税を選択すると消費税の還付金は受けられないこととなっています。よって、設備投資をするため多額の課税仕入れが発生する見込みの事業年度や、輸出業がメインである事業者など、還付金が生ずる場合は原則課税が有利です。
(2) 簡易課税
概算で控除仕入税額が計算できる
→給与には消費税がかかっておらず、課税仕入れとして控除できません。よって、売上高に占める人件費の割合が高いケースでは、簡易課税の適用により実際よりも控除仕入税額が多くなる場合があり、その場合には節税へとつながります。
ただし、簡易課税を選択するためには次の条件があり、また、一度簡易課税を選択すると2年間は原則課税に戻れないためご注意下さい。
〈簡易課税の条件〉
(1) 適用事業年度開始日の前日までに簡易課税制度選択届出書を提出すること
(2) 基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること
以上のように課税方法や節税効果が異なるため、いずれを選択した方が有利となるかはよく検討することが必要です。
他の税法に比べ節税対策が難しいとされる消費税ですが、簡易課税などの規定を賢く選択すると今より税額を抑えることも可能です。
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