現在日本開催のラグビーワールドカップが世間を賑わせています。それに伴い、日本国内には外国人観光客が増えていると思われます。
総務省が発表した住民基本台帳に基づく2019年1月1日時点の日本国内に居住している外国人の人口は、266万人と過去最多となっており、外国人の働き手が増えています。
そのため、今の時期になると外国人の年末調整はどうすればよいのか不安になる方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は外国人の年末調整について記載します。
まず、日本で働く外国人労働者には年末調整が必要な方と不必要な方に分けられます。
① 居住者
日本に住所を持ち、もしくは、1年以上日本に住み続けていることを認められる外国人は「居住者」に該当し、年末調整と源泉徴収の対象となります。税金の取扱いに関しては、基本的に日本人と同様であり、外国人だからと特別な取扱いはありません。
② 非居住者
外国に生活の拠点がある外国人は非居住者となります。非居住者は年末調整はできないですが、源泉徴収は必要となります。ただし、日本と「租税条約」を結ぶ国に居住する非居住者については、「租税条約に関する届出書」を支払日の前日までに所轄税務署長に提出することで、租税条約の適用による所得税の軽減を受けることができます。基本的に締結国間では所得税の軽減を受けることができますが、租税条約には「特典条項」という条項が設けられており、特定条項に関する付表の提出が求められています。簡単に表現すると、所得を受領する非居住者がその租税条約の適用を受けることができるかをチェックするための付表です。
また、外国人の年末調整において扶養家族がいる場合は、その扶養家族が居住者か、非居住者かで取扱いが変わってきます。
① 居住者の場合
日本人の規定と同様であり、生計を一にする方が対象となります。
② 非居住者の場合
「親族関係書類」と「送金関係書類」の提出が必要となります。外国語の文章は、翻訳文が必要となります。
「親族関係書類」とは、戸籍の附票と旅券の写し及び外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(生年月日及び住所又は居所の記載があるもの)が該当します。
「送金関係書類」とは、金融機関発行の送金証明証明書類やクレジットカード会社の利用明細書などが該当します。
では、居住者だった外国人が年末調整前に帰国し、非居住者扱いとなった場合にはどうすればよいでしょうか。答えは帰国前の確定給与日あるいは給与支払日までの給与額で年末調整が行われることとなります。そのため、年末調整が必要な外国人が居る場合は、当人が出国するまでに年末調整を行っておかなければなりません。
期限後申告になると、納税者にペナルティが発生する可能性があるため、注意すべきです。
不明点等ございましたら、ぜひ川庄公認会計士事務所までご相談ください。
川庄公認会計士事務所 嶋村
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