先日イタリアのベネチアで開かれていた主要20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議にて、「デジタル課税」の導入と、世界共通で法人税の最低税率を15%以上にするという新ルールが発表されました。
多国籍企業が税率の低い国に設けた子会社に利益を移すなどして税負担を軽くする「課税逃れ」の抑止が狙いで、10月に最終合意し、2023年の導入を目指すとの事です。
協議には139カ国・地域が参加しており、日米や中国、欧州の主要国など132か国・地域が新ルールの参加に合意していますが、アイルランド(税率12.5%)やハンガリー(同9%)といった数か国が合意しておらず、税率を低く抑えて企業誘致を進めてきた軽課税国の反発は避けられないのかもしれません。
日本の法人税率の推移 ※財務省HPより
日本の法人税率は世界の水準に追いつくよう、引き下げられてきました。現在23.2%(一部19%・15%)で、今回の新ルールには既に当てはまっています。
法人税は国に納める法人税・地方法人税の他に、地方自治体に納めるものもあり、それらを含めた実効税率は29.74%程になります。
世界の法人実効税率ランキング(2021年5月時点) ※OECD加盟国
今回の新ルールとは別に、イギリスではコロナ対応による政府債務の解消に向け、2023年4月より、大企業の法人税を19%⇒25%に引き上げる方針を発表しています。
今後、新ルールやコロナによって、法人税の世界的なトレンドが大きく変わっていくのかもしれません。
川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 植木
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