4. 不動産は選別と借入管理を徹底する
賃料を改定できる好立地の物件は、インフレに強い資産です。一方、駅から遠い物件や老朽化した物件は「負動産」になる恐れがあるため、早めの売却や組み替えを検討します。変動金利の借入は金利上昇の影響を直接受けるので、固定金利への切り替えや繰上返済を試算しておきましょう。相続税評価の差額を狙った取得については注意が必要です。令和4年の最高裁判決(総則6項の適用)や、令和6年からのマンション評価の見直しを踏まえ、過度な節税スキームは避けるべきです。
5. 第四の柱として「生活防衛」を加える
地政学リスクや通貨不安に備えて、金(現物または投資信託)を資産全体の5~10%程度持つことは有効な保険になります。また食料・エネルギー価格の高騰に対しては、省エネ投資(住宅の断熱や太陽光発電)や生活コストの見直しが、実質的に確実なリターンを生む「投資」になります。
6.税務と資産継承を同時に統計する
令和6年以降、暦年贈与の相続財産への持ち戻し期間が7年に延長され、相続時精算課税には年110万円の基礎控除が新設されました。これらを比較して、贈与の方針を見直す時期です。生命保険の非課税枠、教育資金や住宅取得資金の贈与の特例、資産管理会社の活用なども併せて検討し、「資産を守ること」と「次世代へ移すこと」を一体で考えてください。
7.今後の見通しと心構え
基本シナリオとしては、構造的なインフレと金利の高止まりが当面続くと想定するのが妥当です。ただし、景気後退による資産価格の急落や急激な円高も十分あり得ます。予測を一つに絞って賭けるのではなく、どの局面でも致命傷を負わない配分にしておくことが肝要です。年1回のリバランス、借入を抑えること、そして「高利回り保証」をうたう詐欺的な勧誘への警戒をしてください。
川庄会計グループ 代表
公認会計士 川庄康夫
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