経営コラム - 2013-05-02

凡事徹底 ~よい企業風土を作るために~

Posted by 川庄 康夫
Yasuo Kawasho

<働き易い環境を目指して>

  川庄グループ(川庄公認会計士事務所、クリエイティブ・マネージメント・コンサルタンツ、KS人事研究所の3社)では、お互い切磋琢磨し協力して仕事を完遂しています。スタッフ同士の意思疎通を図り、コミュニケーションを密にするようには言っていますが、部下のほうには、上司に対して言いたいことも言えない事もあるようです。そのような、事務所の中にある蟠りを取除くことを考えて、所長の川庄が年に3回(昇給時、夏賞与時、冬賞与時)全員と話す機会を設けています。今回は4月1日、2日、6日、8日の4日間にわたり、育児休暇取得予定者1名、直近入社の1名、計2名をのぞいた43名に1人20分の面接を実施しました。

 

 例年は私が一方的に話すばかりでいつも時間が足りなくなるので、今回は私の伝えたいことはメモを渡して事前に周知し、そのうえで「何か言っておきたい事があれば言ってください。」というスタイルにしました。私も気がつかない点、反省しなければならない点も多数あり、今後それらを取り入れて事務所の風土をよくすることを考えています。よく人の動きを見てみますと、上司から仕事に対する取り組みがうすれ言葉使いが乱れてきます。そんな雰囲気が蔓延しコミュニケーションがうまく計れなくなり、どうでもいい職場の風土になってしまいます。

 

 当たり前なこと、基本的なことは、川庄グループではきちんと正しく行われていると思っていましたが、「挨拶がない」と言った従業員がいてショックを受けました。「全員お互いに挨拶しているのではないの?」と尋ねますと、「いえ、上の人が挨拶をされないのですよ。」「スタッフ同士では挨拶します。上席の人はこちらから挨拶をしても返ってきません。返ってこなければ次からはしなくてもいいかな?と思ったりします。」との返答でした。

 ビックリしました。人の活性化は目に見えないところから行われなければいけません。そのため部門会議に出席した際に、「事務所内で挨拶が行われていない。お互いに挨拶するようにしなさい。上席の人は部下が言う前に自分から率先して、心のこもった挨拶の徹底を。」と伝えました。その後は実践されているように思います。

 

 次に、「掃除をしていない人がいる。」と言われました。川庄グループは午前8時30分始業、午後5時終業です。毎朝8時30分からの20分間は全員で事務所の内外の掃除をします。その後8時50分から朝礼を行い、仕事に取り掛かる事になっています。「上の人は確定申告時には検算を行ったり、部下の指導をしたりと、忙しいのはわかりますが、朝の20分程度の掃除でその後の仕事に差し障りが出るのでしょうか。どうしても障りが出るようであれば、帰社時間を少し遅らせばいいと思います。「全員で掃除をする」と決めている以上、仕事の手を止めて掃除をするべきだと思いますが、先生はどう思われますか。」と問われました。私自身、耳が痛い意見でした。私自身が朝遅れてきたり、朝礼を欠席したりしていたからです。身につまされる思いでいっぱいになり、直ちに今後掃除は全員で行うようにしようと伝えて次の日から実施しています。私の出勤時間はバラバラで始業の時間を守ってはいなかったのですが、それ以降は掃除の始まる午前8時30分前に出勤し、スタッフと一緒に掃除を行い、朝礼にも参加しています。一番良くないことはトップがしないことです。会計事務所は小さな所帯です。トップが率先して行動を起こさなければ部下はついてきません。

 

 会計事務所の仕事は1人ですべてできるわけではありません。チームで、助け合って仕事をやる遂げることになります。仕事も掃除も同じでしょう。朝の掃除の時間、自分が担当していたところが終わった後、ぶらぶらしていたりおしゃべりをしたりしている人もいるので、早く持ち場の終わった人は、掃除をしている人の手伝いをするように伝えました。私もそのように心がけています。

 

 当事務所は平成7年7月1日にビルテナントから今の場所に引越しました。ビルに入居していたときには、総務の女性が当番で掃除をしていました。今の事務所に移ってきたときに、掃除は総務の女性がすべきで、業務の男性はしなくてもよいのではないか?早朝に掃除をする業者を入れて欲しい、といった声が上がりました。3階建ての事務所全体を少ない総務の女性(4名)だけで掃除するには無理があります。また、毎日の掃除を業者に頼む場合は、お客様の守秘義務があったりして、他のところにも注意を払わなければならなかったので、「全員で掃除をしよう」ということにしました。当然私も行っていました。思い出したのは、私の出身大学の明治大学野球部監督の島岡吉郎先生(巨人軍の高田繁、中日の星野仙一投手等を育てた名物監督)の言葉です。

 

 「グラウンドの整備・掃除は、全員で行っています。特に最上級生の4年生にはトイレの掃除をさせています。トイレは不浄なところと思われており、上級生はすぐに1年生にさせようとします。人の嫌がる事を上級生が率先して行えば、下の者たちもついてきます。」当時は私がトイレの掃除をし、全員が一体となって掃除をする習慣ができていました。そのうち仕事が入ってきたり、心の驕りが出てだんだん掃除をしなくなり、部下にもその雰囲気が伝わり「仕事をしているから自分は掃除をしなくても良い」と思うようになったのでしょう。驕りが出るとそんなにすぐれた製品を持っていても、考え方が唯我独尊になって衰退した企業はたくさんあります。シャープやソニーもその例だと思います。

 

 掃除の後は朝礼です。当事務所の朝礼は、全員が今日の予定と特別な申し送り事項を報告し、前月のありがとうカードの集計結果を表彰したりしています。ですが、これもおざなりになっているように見えます。自分の予定は、自分に言うのではなく、同僚に知らしめてこそ価値があるので声が小さいのは論外です。自分に自信がないと声は小さくなります。声を大きくすると自然と自信がついてきます。大きな声での挨拶と報告で朝の朝礼もしまりがでてきます。形式ばかりにならないようにしなければいけません。

 

 いつも驕らず、当たり前のことを当たり前に実行する。そのことを、「上司が率先して行う」という風土を作りたいと思っています。

 

川庄会計グループ 代表 川庄 康夫

Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫

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