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川庄 康夫 Yasuo Kawasho |
平成27年1月以降、所得税の最高税率は課税所得4000万円超の方について40%から45%へと5%上がります。将来的には所得税率も55%へ上がり、住民税と合わせて65%になると思われます。
又、現在は相続税・贈与税の最高税率が55%ですが、以前の70%にもどるかもしれません。
消費税は平成26年4月から8%となりましたが、2%アップで10%になるのは当初の予定から1年半延期となりました。しかし、将来は消費税も10%から15%、さらには20%へと上がるものと考えられます。
一方、法人税は企業のグローバル化やアベノミクスの第3の矢(=成長戦略)の為、外国の企業を日本に呼び込まなければなりません。そのためにも、法人税率は30%を切ることを目標として引き下げが進むものと思われます。
法人化が可能な事業、例えば不動産業・飲食業・医療業等は、事業承継・節税等を考慮して法人化を検討してもよいと思います。
課税所得は、「収入-必要経費」で導き出されます。
以前、自由診療の多い医療機関に税務調査に来た調査官がこう言っていました。「今は収入を除外する人はいませんね。期間のズレで収入が洩れていたり、転記ミスで収入が洩れることはあっても、意識して収入を除外する人はいらっしゃいません。」
税務調査では、収入が正しく計上されているかをよく見られますが、問題点として指摘されることはありません。問題になるのは必要経費です。
必要経費になるかどうかのポイントは、事業との関連性です。事業に関係しているものとしての支出であればOKとなりますが、個人的に使ったものはNOとなります。
具体的には、支出の内容を筆記具で領収証に記載をすることをおすすめします。接待交際費であれば相手先を記入することは絶対条件です。又、ホームセンターやドラッグストアでのレシートは内訳明細も一緒に保管することが望ましいと思われます。
所得税の経費の場合は上記のようになりますが、法人設立可能な方は以下のメリットが考えられます。
(1) 収益が個人から法人への帰属となるので、利益(資産)は個人には蓄積されません。
結果的に相続財産が増加しませんので、相続税対策になりますし、財産価値は株式に転化されることになり、分割しやすくなります。
(2) 法人からの給与を受け取ることにより、サラリーマンの必要経費と言われている「給与所得控除」を受けることができます。
たとえば、500万円の給与であれば所得は70%程度の346万円におさえることができます。さらに、父母・子供等を法人の役員にすることで役員報酬を支払うことができます。
但し、非常勤の場合、経営参画の程度によっては多額の役員報酬はNOと言われる可能性がありますので、奥様に多額の役員報酬を支払いたい場合は、奥様を代表取締役にするなどの方法もあります。
(3) 役員退職金を取得することができます。
退職所得は5年超勤務した場合、退職所得控除適用後、退職所得は となるので、多額の退職金をもらっても税率は27.5%がMAXです。そのため手残りは多くなります。
退職金の限度額は、月額報酬×勤続年数×功績加算(2~3.5倍)ではないかと言われています。
社長在任期間30年、退職時の役員報酬月額100万円の方が退職した際の退職金と退職所得は以下のようになります。
退職金・・・100万円×30年×3倍=9,000万円
退職所得・・9,000万円‐{(40万×20年)+(70万×10年)}×1/2=3,750万円となります。
(4) 生命保険料が損金になります。
契約内容にもよりますが、法人を契約者、被保険者を役員にした、生命保険金が法人の経費にすることができます。
また、生命保険料の支払いで課税の繰延を計りながら、将来の役員退職金を形成できます。
(5) 社宅を保有することができます。
税務調査でよく問題になる社宅ですが、役員の住居を法人で経費処理することは、個人で住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受けるよりも有利です。
ポイントは豪華な社宅にならないこと、面積が240㎡越えないこと、また、特別の仕様にしないことです。
法人化のメリットをいくつか紹介しましたが、ポイントは法人で利益を計上することと、資金繰りが大丈夫か、ということです。借入金の返済で資金繰りが逼迫しないようにすることです。特に不動産業の方は注意が必要ですので、法人化をお考えの際は、事務所担当者へお声掛けください。法人設立前後の資金繰りをシミュレーションしてご説明いたします。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
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Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫
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