平成27年度税制改正が3月31日参議院にて賛成多数にて可決・成立しました。法人税率の引き下げや結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設等、重要な改正は多々ありますが、今回は「法人住民税均等割の判定における資本金等の額」に改正がありましたので、そのお話しをしたいと思います。
「法人住民税均等割」とは、法人が存在する都道府県と市区町村に納める税金の一つで、その特徴として「赤字」でも発生するということがあります。その「法人住民税均等割」の金額を決定する際に用いるものの一つに「資本金等の額」というものがあります。この「資本金等の額」とは、法人が株主から払い込まれる金額となり、その法人の規模を示します。よく聞く会社の「資本金」とは異なり、税法上の概念となります。したがって、無償減資や無償増資を行った場合、決算書上の「資本金」の額は増減しますが、「資本金等の額」は増減しません。
その「無償減資」や「無償増資」を行っている場合、今後は以下の金額のうちいずれか大きい金額が「法人住民税均等割」を算定する際の「資本金等の額」となります。
(1) 資本金等の額 +無償増資※1 △無償減資※2
(2) 資本金+資本準備金
※1 平成22年4月1日以後行ったものに限ります。
※2 ①平成13年4月1日から平成18年4月30日までに行った減資及び資本準備金による欠損填補を行った場合、②平成18年5月1日以後に行った剰余金による損失の填補に限られます。
以下、均等割計算上の「資本金等の額」の具体例を記したいと思います。
例)資本金:1,000万円 資本金等の額:2,000万円
平成17年に行った無償減資:1,000万円
現在 :資本金等の額2,000万円
改正後:資本金等の額2,000万円 △無償減資1,000万円 = 1,000万円
この改正は平成27年4月1日以後開始する事業年度より適用となりちょっと先の話しとなりますが、過去に無償減資・無償増資を行った方については、今後影響を与えるかもしれませんので、注意が必要です。
川庄公認会計士事務所 田口 由多加
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