6月半ば、梅雨入りし雨が毎日続いたかと思うと、急に真夏日のような暑さ、変な天気が続きますね。皆様どうお過ごしでしょうか。
今回も前回に引き続き、私が在籍していた福岡国税局の「査察部門」に触れてみたいと思います。
さて皆様は、福岡国税局「査察部門」が、年間にどのくらいの査察事件(件数)をこなしていると思われますか。
ニュースや新聞等で、脱税事件で告発されたと言うような記事が、たまに報道されていますよね。
近頃、東京の方で郵便発送代行業者が脱税事件で告発されたというようなニュースが流れていました。
福岡の脱税事件として、最近の私の記憶に残っているのは、アニメ化された漫画作品「薬屋のひとりごと」(記事で知りました)の作画家である漫画家の先生が無申告の脱税事件として告発されていたことですね。
令和5年分の確定申告の終了間際(令和6年3月)頃で、当局の意図的なものを感じましたね。(その理由は、後日、お話したいと思います。)
前にもお話ししたと思いますが、「査察部門」は、「情報部門」と「実施部門」に別れており、「実施部門」は、私が在籍した当時「主査と査察官(原則)の2人ペア」が、7班ありました。
査察事件は、会計事務年度で区切られ、年最初の事件から平成〇年度第1号、第2号、… 第〇号事件と番号が順番に振られます。
査察事件は、着手(「ガサ入れ」の強制調査)から犯則(脱税)金額を確定(告発基準額をクリア)して検察庁に告発するまでに、約1年を要しますので、当時の年間件数としては、7~9件でしたかね。(法人等で関連会社があり、関連先も同じように脱税行為をしていれば、本件の派生事案とし、また独立した事案としてカウントしますので、件数が増える場合もありました。)
私が所属した当時、1班あたり担当事案は、年にほぼ1件のような感覚でした。
新規に着手する際は、全員でかかりますので、着手自体は、毎月か、約2ケ月に1回は少なくとも「ガサ入れ」をしているような感覚でした。
ところで、裁判所の「臨検・捜索・差押許可令状(当時、「お札」と言っていました。今もかわっていないと思います。)」は、一体誰が、犯則嫌疑者等に執行すると思われますか。
「警察24時」とかのテレビ放送で、捜査官が被疑者に向かって裁判所の「(捜索差押)令状」だと言って、被疑者に(見せて)執行している場面がありますよね。
それと全く一緒です。なお、「令状」の執行はベテラン職員がするのではなく、その場の一番の若手に振られ、執行するように仕向けられていました。
若手は、着手日の前日等に令状の入った封筒を渡され、上司からお前が「令状」を(相手に)示せと指示されます。
仕事とはいえ、いざ相手に「令状」を執行するとなると「ドキドキ」ものですよ。
若手に「度胸をつけさせる。」と言う目的があったのだと思いますが、今、考えてみれば「ウラ」があり、「令状」を執行したものは、後で、臨検、捜索、差押てん末書と言った報告書を作成しなければならず、これがかなり面倒臭いので、ベテラン勢は逃げていたのだと思います。
当時、各てん末書は、必ず正本と副本の2部を作成しなければならず、(薄い)用紙にカーボン紙を挟んで作成していました。(カーボン紙って何だ?と思われる方も多いでしょうね。たとえるなら複写式の領収書を想像してみて下さい。)
中でも、差押てん末書の別添書類の「差押目録」は、正本、副本、(相手に)交付用の3部をカーボン紙2枚挟んで作成していましたからね。該当事件の差押件数が多いと地獄でしたよ。(後で、重要物証は、特定できるように細かな表示や名称、枚数等を記載する必要があり、書き進めていくにつれ筆圧のかけ過ぎの影響で手に力が入らない、指が動かないと言う事になります。今はどうしているんでしょうかね?もう、カーボン紙とか使ってないと思いますけど… )
話は、途中で逸れてしまいましたが、現在の福岡国税局の人員構成では、査察「実施部門」は、8班程度あり、おそらく査察件数は、年10~14件程度と思われます。(実際に事件になる件数自体は、もっと少ないと思いますよ。何故なら、「無申告」事案にまで、手をつけているのですから)
なお、本日は、ここまでとさせていただきます。
川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 戸島
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