Posted by | 川庄 康夫 Yasuo Kawasho |
1.マイナンバー導入のスケジュール
マイナンバーは、2015年10月から市町村が住民票に記載された住所宛に簡易書留で通知されます。通知は世帯毎で、夫婦2人、子供3人であれば、5人分の「マイナンバー通知カード」が「個人カード申請書」と一緒に届きます。
子供さんが遠隔地に居住し、住民票を移動させてない場合、居住地に住民票を移す必要があります。「個人カード」は、2016年から市町村の窓口において無償で受け取れます。「個人カード」は本人確認用の身分証として、これまでの運転免許証やパスポートの代わりに様々な場で使えます。
マイナンバー導入スケジュール
2015年10月~
●市町村がマイナンバーを通知
●番号制度対応準備(理解と体制整備)
●個人番号の適正な取扱いルール
●個人番号を取扱う従業員に対する研修・周知
2016年1月~
●行政が税、社会保障、災害の3分野で個人情報を管理
2017年~
●企業が源泉徴収票に記載し国などへ提出
●行政手続きで住民票などの添付書類不要
カードを行政窓口へ提出すると、児童手当の申請などで源泉徴収票や所得証明書、住民票などの添付書類の提出が不要となります。
●ネットで税金や年金の記録を閲覧、又納税や保険料納付可能
●引越し手続きの一元化(転出先への届出で新住所へ移動)
2018年~
●預金口座にマイナンバーを任意で登録
●銀行口座開設時にマイナンバーの記載を義務付ける方向で審議中
●カルテなど医療情報への利用を検討
(重複受診や重複投与(薬)の排除がなされます)
現在は、高額医療などを受ける場合、一度支払った後に還付を受けるか、市役所で医療費限度額証の呈示が必要ですが、マイナンバー制度では個人の所得が把握されるので不要になると思われます。
総合合算制度が導入されます。これは医療、介護、障害福祉、子育ての4制度の自己負担や利用料の合算総額の上限を世帯ごとに設定し、患者・サービス利用者は。利用金額が上限に達したあとは受診時、利用時の負担はせずに済む制度です。
2.ネットに個人ページの開設
2017年から、ネット上に専用の個人ページが開設されます。アクセスするには、個人番号カードが必要となります。ICチップの読み取り機能があるパソコン、スマートフォン、タブレット等にカードをかざしてパスワードを入力してアクセスします。個人ページでは自分のマイナンバーに関する情報をどの機関がいつ見たかという履歴を確認できます。
年金、健康、介護の保険料や税金の記録も確認でき、保険料の納付や納税もクレジットカードなどで電子決済できます。引っ越し時の「ワンストップサービス」も個人ページの開設により可能となります。即ち電力、ガス、水道、金融機関、クレジットカード会社などの住所変更が一度にできて非常に便利になります。
3.企業におけるマイナンバー
企業に割り振るマイナンバーは、法人番号と呼ばれ、会社登記をした全ての企業が対象となります。個人よりも1桁多い13桁の番号で商号や所在地に紐付けされます。2015年10月から通知され、2016年1月から利用が始まります。法人番号は個人のマイナンバーと違い、企業のホームページなどで公開され、官民問わず誰でも利用できます。
企業は源泉徴収票や配当等の支払調書、不動産の支払調書等を税務署に提出する際に法人番号を記載する必要があります。そのため会社での事務作業に今迄以上に手間がかかると思われます。
将来的には、企業用の「専用ページ」、即ち「法人ポータル」の立ち上げを検討しています。法人ポータルでは、登記事項や納税証明書の申請や所得がネット上において一括でできるようにする予定です。このように2015年10月から始まる、「マイナンバー通知カード」の配布に合わせて徐々に準備する必要があります。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫
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