節税対策 - 2024-11-14

今年(2024年)の年末調整還付金について

11月に入り、扶養控除等申告書などが手元に届いて、「今年の年末調整還付金ってどうなるの?」と

思われた方もおられると思います。

今年は定額減税があり、年末調整関係の書類の書式も昨年とはちょっと違う。

毎月の給与からも定額減税されていたけれど、年末調整でも定額減税の計算がされると聞いた。

けど、そうなると毎年小さな楽しみにしていた年末調整還付金ってどうなるの?

いつもと金額違うの??多くなるの?少なくなるの?

 

そんな素朴な疑問について、書いていきたいと思います。

 

まず、今年の年末調整における年末調整還付金等のパターンは3つあります。

(昨年と給与額、扶養人数、生命保険料控除等条件が全く同じと仮定した場合です)

 

 2024年の年末調整における年末調整還付金の3つのパターン】

 パターン①:年調年税額 < 定額減税額 の人

⇒年調年税額を出した時点で定額減税より少ない金額の場合は、引ききれないので調整給付となるが、1月~5月に徴収された源泉所得税については年末調整還付金で返ってくる。

1月~5月の徴収金額になるので、年末調整還付金だけでいうと昨年よりは少ない還付額になる。

 定額減税部分については後日、市町村より給付される。

※「年調年税額」とは給与の年間総支給額に調整を加えた後の税額となります。調整とは給与から支払った社会保険料を引いたり、基礎控除や配偶者控除、生命保険料控除等をしたりすることです。本来その年にその人が払うべき源泉所得税額の事です。  

パターン②:6月からの給与の定額減税で全て引ききれていた人

⇒定額減税部分の残高はないので、その部分は年末調整の計算には影響を与えず、昨年と同額程度の年末調整還付金となる

パターン③:6月からの給与の定額減税で全て引ききれなかった人

⇒引ききれない定額減税の残額分が年末調整還付金に足されるので昨年よりその分年末調整還付金が多い

 

具体的な数値で見ていったほうがわかりやすいのでそれぞれのパターンについての例を挙げます。

【それぞれのパターン毎の例】

パターン①:年調年税額:6,900円、給与から徴収された年間の源泉所得税額が12,370円、扶養なしで定額減税額が30,000円の場合

年調年税額 6,900円-定額減税額30,000△23,100

⇒定額減税額が引ききれずマイナスとなるので、後日市町村より引ききれなかった分が振り込まれる。1-5月に給与から徴収された分については年末調整で還付される。

パターン②:年調年税額:55,000円、給与から徴収された年間の源泉所得税額が27,000円、扶養なしで定額減税額が30,000円の場合 

年調年税額 55,000円-定額減税額 30,000円=22,000

        

22,000円-年間源泉税額27,000円=△5,000

⇒年末調整で5,000円還付される。

 

パターン③:年調年税額:37,100円、給与から徴収された年間の源泉所得税額が36,290円、扶養なしで定額減税額が30,000円の場合

年調年税額 37,100円-定額減税額30,000円=7,100

         

7,100円-年間源泉税額 36,290円=△29,190

⇒年末調整で29,190円還付される。

 

以上となります。

 

毎月の定額減税で全て定額減税額を引き切れた人は昨年と変わりないということですね。

(条件が全く同じ場合ですが)

これを参考に今年の年末調整還付金がどうなるか、少し早めにチェックしてみてはと思います。

 

川庄公認会計士事務所 平島


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