Posted by | 川庄 康夫 Yasuo Kawasho |
1.外部環境の大幅な変化
昨年々末に米国の利上げが9年ぶりに実施されました。アメリカの雇用は失業率が低下し、完全雇用に近い状態となり又住宅着工件数も前年比を上回り自動車の販売台数も増加し景気の過熱感がでてきたので、米FRBのイエレン議長が12月16日に政策金利を0.25%引き上げました。
今迄は低金利政策を採っていたため、ドルが世界中に拡散し、新興国へドルが流入し、新興国の景気を上向かせていましたが、今後は資金が新興国から米国へ移動し、新興国経済が悪化する可能性が出てきました。FRBの金利引き上げによって住宅や自動車のローン金利が上昇し、個人消費の足を引っ張る懸念もあります。
昨年から中国経済の減速が鮮明となってきました。今迄は中国の経済成長率は7%を目指していましたが昨年は6.5%に減速したと伝えられています。中国は世界の新興国から、原油、鉄鉱石、石炭等の資源を爆買していましたが、中国経済の減速に伴い新興国経済も悪化しそうです。資源の輸出入や製品の輸出入の減少に伴う船会社の用船料も低下し、我国の日本郵船、三井船舶等も減益の予想を出しています。
黒田日銀総裁の円安誘導により120円越の円安となりました。平成28年の輸出企業の為替レートは120円を予定しているそうです。円安に伴って、外国人の日本観光と日本での爆買が発生しました。昨年は1000万人超の外国人観光客が訪日されましたが、今年は2000万人の目標を立てています。
福岡では観光客が多すぎて、宿泊のホテルが足りず、船で宿泊し翌日観光地を周り、買い物をする傾向も出てきています。今日も博多港に巨大な大型客船が停泊しています。福岡の消費景気は外国人観光客によって一部助けられてはいます。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が昨年10月大筋合意されました。農業、金融取引、医療分野等について、規制が撤廃され、関税が撤廃されある程度自由な競争が起こることと言われています。
今は関税撤廃により我国農業が大打撃を受けて、農業は壊滅するとか言われていますが、アメリカは農業よりも知的財産、金融関係、医療関係に目的があるのではと思います。
そのため銀行、生損保、弁護士、会計士、税理士、社会保険労務士等が将来、グローバルな競争状態になると思います。TPPで医療がかわるとも言われていますが、国民皆保険制度がなくなり、自由診療と保険診療が併存状態から保険診療がなくなりお金がある人しか適切な医療を受けることはできない等とも言われていますが、まだよくわかりません。国民皆保険制度が崩壊するとも言われていますがそこまではならないにしろ、自由診療割合が多くなることは確かでしょう。
1月1日からマイナンバー制度が始まりました。税と社会保障制度、災害対応等に利用が始まります。マイナンバーの収集、保護、保全等に細心の注意を払うことが必要となります。マイナンバーを不正に漏えいさせると、罰則があり4年以下の懲役か200万円以下の科料になる又は併科を課すとなっています。懲役3年以下は執行猶予刑となりますが、4年は猶予刑とはならず、実刑となります。過失があった量刑の重さが他に比して重いということだと思います。今年はいろいろな事が起こる年となります。
2.今年の対処法
時代の変化があるとそれに対応し挑戦することが必要です。基本に帰り、当たり前のことを当たり前にする。"凡事徹底"を徹することで対応できます。競争を制するものは、最後は人です。
仕事に対して、必死になって考えて責任感を持って対応する人を育てる。基本は5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の徹底、お客様に気配り、目配り、心配りがなされているか、自然な笑顔が保たれているか、きびきびしたお客様対応がなされているか、お客様の望みは何かを"必死に考え"行動することが必要です。朝礼も大きな声で全員に聞こえるように、相手の目を見ながら話す。すると会社風土が画期的に改善し勝つ企業へと変身します。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫
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