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川庄 康夫 Yasuo Kawasho |
1.長寿社会の到来
我国では公的年金を受給できる年齢は満65歳となりました。そのため定年延長制度を取り入れるなど本人の希望により働けるうちは年齢に関係なく働くことができるとなっています。
先日乗ったタクシーの運転手さんに年齢を問うと「68歳です。会社の定年は75歳です」と返答されました。健康であれば年齢に関係なく働くことは良いことと思います。
我国の健康寿命(健康上の問題がなく日常生活を普通に送れる状態)は男性71.19歳、女性は74.21歳です。平均寿命(0歳児が平均して何歳まで生きられるかを示したもの)は男性81歳になり、女性は86歳を超えました。
60歳の平均余命は男性で23.38年(83歳)女性は28.68年(88歳)となっています。今年100歳以上の人数は6万5千人を超え、90歳まで生きる女性は48.3%で男性はその半分の24.8%です。
65歳で定年を迎えた後、多くの人が20年~30年生きることになります。公的年金はなくなることはありませんが、支給額は減少する可能性があります。
2.厚生年金・国民年金平均受給額
以前は厚生年金と国民年金等の掛金期間が25年以上なければ受給できませんでしたが無年金者救済の為、掛金期間10年以上で公的年金受給できるようになりました。
国民年金は満額186,500円で保険料掛金期間×1638円で年金額が出ますし厚生年金の平均受給額は夫婦2人で約203千円(月額)です。厚生年金は加入期間の報酬が高かった人はより多くの厚生年金保険料を支払っているので、その分年金の受給金額も多くなります。
原則65歳からもらえる年金を繰り下げる(先送りする)ことで1カ月当たり0.7%分年金を増額できます。(上限は42%増迄)
総務省「家計調査年報」によると2014年の高齢者夫婦無職世帯(夫65歳、妻60歳)の1ヶ月の家計収支は老後の実支出26.8万円で老後の実収入は20.7万円なので毎月6.1万円の赤字となり年額で78万円不足するとの実態調査があります。
今後30年長生きすると2,340万円不足することになりそのため約3,000万円程の貯蓄額が必要となります。公的年金は前述のような状況ですから、将来の生活は自助努力ですることも検討しなければならないことも踏まえ確定拠出年金の法改正が行なわれました。
3.改正確定拠出年金法が成立
確定拠出年金は2001年に施行されました。個人型は26万人(13万社)が加入し掛金は金額が小規模企業救済等掛金控除の対象となり確定申告や年末調整により個人の節税として小規模企業共済等掛金控除として年末調整などを行う。企業型としては577万人(2万社)の法人が加入し会計上、福利厚生費として全額損金算入を行っています。
この制度を参考にしたアメリカでは、内国歳入法401条(K)項を根拠条文とするため、401Kと呼ばれ近年ではDC(Defined contribution)と呼ばれます。我国においても個人型確定拠出年金を個人型DCといいます。
個人型DCは「元本保証で全額所得控除」として徐々に浸透しています。個人型DCは2016年5月に改正法が成立し2017年1月からは公務員や専業主婦などにも制度が解禁され多くの人が加入すると期待されています。
又国は不透明さを増す公的年金制度を補完するため自助努力型のDCを積極推進する方針に転じました。国民年金加入者は個人型DCに年額816,000円まで加入できますが、厚生年金加入者は個人型DCに年額276,000円まで加入でき所得控除になり各々所得税率に応じて税金が安くなります。(最高13.8万円)
但し60歳以降でないと受取が不可ですが年金受取(公的年金等控除対象)や一時金(併給も可能)は退職所得控除の対象となりますので支払時は所得控除ができて税金が安くなるので、受取時は公的年金控除や退職所得控除で税金が安くなり有利な商品と言えます。
税制面で個人型DCは
①毎月の掛金額は自分が決めて毎月積み立て
②自分で運用商品を選ぶ結果は自己責任です元本確保型もあり過半数の人がこれを選択しています。
③自分の年金資産残高が記録管理されます。
④離転機の場合ポータブル(持っていくことができる)なので節税をしながら年金積立の夢を追いかけることが可能です。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄康夫
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Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫
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