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川庄 康夫 Yasuo Kawasho |
企業経営の目的は、公共性、利益性、社会性、継続性等を保持し、永続的に発展することです。利益計上することが全てではありませんが利益を出さなければ企業経営することはできません。
企業が常に利益を確保できるという保証はありません。企業は景気の波に翻弄されながらエクセレントカンパニーを目指して日々努力しています。今期は利益が出なくても、無理に利益計上しなければいけない状況になることもあります。資金繰りに窮することがあっても国は助けてくれませんし、金融機関も助けてくれませんので自社で対応する必要があります。
節税を検討することも対応策のひとつです。脱税は行ってはなりませんが、節税は大いに行うべきだと思います。
脱税と節税の間に「過度な節税」という概念があります。経済取引の進展につれて税務当局の考え方は変わります。
例えば不動産の管理料は、以前は2桁の管理料率でも認められていましたが、現在は通常相場の管理料率との指導がなされ、裁判例もあり納税者が敗訴しています。
健全な節税策を例に挙げてみます。
(1)レバレッジドリース(日本型オペレーティングリース)による利益の繰り延べ
例えばJA三井リース㈱の子会社(甲社)等が行う海外航空会社向けへの匿名組合出資の場合、甲社が物件価格の70%~80%の借入を行うことで投資家は20%~30%の少ない資金で100%の償却資産を所有したのと同様の効果が得られます。
この少ない元手で大きな節税(償却)メリットを得られることからレバレジッド(てこ)リースと言われています。節税は10百万円~数億円迄自由に組み込むことができます。
メリットとして
①1回の支払でほぼ全額を当期~翌期の損金に算入できる
②1回のみの支払で完了するので、短期間での節税対策向き
③運用利回りが期待できる。
デメリットとして
①利回り低下もありうる
②航空機等の売却価格は市場にまかせるため売却損が生じることもある。
③途中解約不可
④決算直前には商品がみつからない場合がある。
レバレジッドリースは金額が自由に設定できる為、利用している企業は多くあります。リスクもありますので良く検討することをお勧めします。
(2)中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)
独立行政法人中小企業基盤整備機構が取り扱っている共済で月額5千円から20万円迄の範囲で自由に選択できます。月払いを継続し期末近くに1年分の前払いを行うことで年額480万円損金にすることができます。掛金の打ち止めは800万円でそのまま預けておくことも可能です。掛け始めて40カ月以上経過すると減額なしで解約することができます。解約すると雑収入として受け入れをしなければいけません。
企業業績が芳しくない時は解約を行い再度契約を結び掛金を支払経費処理することも可能です。利益が出る場合には先ず検討してみてください。
(3)絵画等の減価償却費計上
以前は1点20万円(絵画は号あたり2万円)未満の美術品が減価償却資産とされてきましたが今年度から始まる事業年度から1品100万円未満であれば減価償却資産として償却できることになりました。絵画等に興味をお持ちの方は検討し会社の応接室等へ掲げてはいかがですか?
(4)ふるさと納税
ふるさと納税を利用すると、寄付額のうち2千円を超えた金額が住んでいる場所で納める所得税や個人住民税から差し引けますし自治体から様々な返礼品を受取ることができます。寄付金額には限度額があるので自分の課税所得金額や配偶者、扶養親族の有無を調べて自分に合った節税策を選ぶことがベストです。
(5)生命保険を使った節税
定期保険や逓増定期保険を利用した税金の繰り延べ策があります。早期に多額(?)の保険料を支払い損金処理をして資金が必要な時に解約し解約返戻金を受け取ることで税金を先送りします。デメリットとしては毎期保険料を支払う必要があります。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
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Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫
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