節税対策 - 2017-04-18

28年度の確定申告振り返り

Posted by 川庄 康夫
Yasuo Kawasho

1.所得税の確定申告が無事に終了しました。

会計事務所の1年で1番忙しい所得税の確定申告が3月15日で終了しました。今年は昨年と違ってマイナンバー制度が導入され、その取扱いや規定等で慣れない面もあり時間と手間がかかりましたが無事に終了することができました。

 

12月の年末調整、1月末が提出期限の給与支払い報告書や償却資産税の申告書を各市町村へ提出すると3月15日の確定申告に向けた準備に入ります。

 

前年11月初旬までにお客様に対してその年度の確定申告に向けて、資料(給与、年金等源泉徴収票、家賃明細書、不動産等売買契約書等)の準備をお願いしています。

 

確定申告業務は、2月10日に「適正な申告に向けて皆でがんばろう」との気迫を示すため〝がんばろう会″を開催し、提出がすべて終了する3月15日には「お疲れさん」と〝打ち上げ会″で終了します。

 

この時期は週2回の早帰りを設けてはいますが、毎日午後9時迄仕事をするため(もちろん残業手当はきっちり支払います。)夜食を皆で食べるなど事務所の一大イベントになっています。

 

安倍首相が中心となって働き方改革を推進しています。事務所おいても、確定申告業務の仕事内容を細分化して検証を行い、来年は9時拘束を止める方向で検討しています。ぜひ実現して働き方改革の流れに対応したいと思っています。

 

2.28年度の確定申告の特色

①株式等の売却について

一昨年迄は株式の譲渡で、利益が出ている人は殆どなく株式の売却による損失を翌年に繰り越した人がおおくいましたが、28年度は株式譲渡で利益を出している人がぼつぼつ出てきて、株式の譲渡益を一昨年に繰り越した損失で相殺したり、納税をする人が出てきました。アベノミクス効果が少しずつ出てきました。

 

②不動産の譲渡について

不動産の譲渡が増えましたねと言う気がしています。一作年から不動産価額が上昇しています。塩付けになっていた不動産や地価上昇に伴っての売買価格のアップにより、譲渡所得の申告が増加した気がします。

 

今、福岡市内では博多駅から赤坂の間でマンション用地として取得できる土地はありません。外国人向けやビジネスマン向けのホテル用地を物色する動きが活発で、高値でマンションを建築しても完売できる自信がないため不動産の動きも止まりつつあります。

 

一方、一昨年の相続税の基礎控除の引き下げ等により課税対象者が増え、マイナス金利の導入による住宅ローン貸出競争もあり福岡でも貸家建築ブームとなり住宅借入金等の税額控除の件数が相当増えました。

 

③年金と医療費控除

給与と年金あるいは年金と不動産所得の確定申告をする人が増加しました。

 

以前は年金で300万円もらう人もいましたが最近では年額300万円以下の人が増えました。今から10年以上前に夫婦で年金月額25万円以上100年安心年金と政府が言っていたものは何だったのか?の疑問符がつきます。

今後は一層年金の増加は見込めませんので時間がある若い人はDCや個人年金も考えた方が良いと思われます。

 

年を追って医療費控除の申告する人が増加しています。団塊の世代が前期高齢者になりましたので、必然的に医療費は増加します。

今年からは市販薬のセルフメディケーション税制が始まりました。これから市販薬の領収証も内容がわかるように補完をお願いします。

スイッチOTC医薬品の12,000円を越える金額が所得控除となり税金が安くなります。

 

④ふるさと納税の増加

2011年の東日本大震災や2017年の熊本地震に対する義援金として、又ふるさと納税の返礼品の価値や自分の意志で地方の文化や子供の育成等へ納税することができるようになり、ふるさと納税が飛躍的に増加しています。

 

しかしながら自治体によっては高額な物品やその地域との関連性の濃い返礼品を送るケースがあるため今年総務省は、ふるさと納税の返礼品を3割までとする通知を全自治体に出しました。

 

高額な電化製品や電動自動車等は30%を超える返礼品ではないかと思えるものがあります。パソコン、ダイソン掃除機、ダイソン空気清浄機とホット&クール等は30%を超えています。

 

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄康夫

Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫

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