代表取締役や取締役であった人が、一度退職し退職金をもらった後も身分を会長や監査役などに分掌変更して引き続き在職するケースはよくあります。
その際に「実質的に退職」と同様であれば、その時に支出した退職金は税務上も認められる、ということになっています。
しかしこの「実質的に退職」が焦点となり、退職金として支給したものが損金算入されない役員給与として否認されたケースがありますのでご注意下さい。
例えば最近でも、代表取締役を辞任して平の取締役となった上で、変更後の役員報酬も従来の半分以下にしていた法人で退職金が否認された裁決が出ました。
なぜ否認されたかというと、分掌変更後も変更前と同じように法人の意思決定に携わっていたとして「実質的に退職」とみなされなかったためです。
具体的には・・・
①多額の費用の支出に関する決定を独断で決定した
②金融機関や取引先との交渉の場に積極的に参加して発言していた
③多額の資産の購入等の重要事項の意思決定に関わっていた
ということが指摘されました。
役員退職金として認められない場合には損金不算入として所得が増加してしまいます。退職金は高額なため、追加で発生する税額や加算税も多額となり、経営にも支障をきたす恐れがあります。
事業承継で後継者に地位を譲る際には、前任と後任のそれぞれの役割などまでしっかりと検討し、その上で退職金の支給を行うことをお奨め致します。
承継含め、経営全般に関するお悩みがございましたら当事務所までご相談下さい。
川庄グループ 川庄公認会計士事務所 島田
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