相続・事業承継コラム - 2024-03-22

相続登記義務化の開始について

41日より相続登記の義務化が開始されます。

相続登記とは被相続人の所有していた不動産(土地・建物)の名義を相続人の名義に変更することを言います。
近年、相続登記をされず所有者不明土地となっているものが全国で増加しており、周辺の環境悪化等の社会問題と
なっているため、これまでの「任意」から「義務化」されることとなりました。

義務化により、相続人は不動産を相続したことを知った時から3以内に正当な理由なく相続登記しなければ10万円
以下の過料を科される可能性があります。
また、義務化となる41日以前に相続した不動産についても未だ相続登記をしてない場合は遡って義務化の対象と
なります。

相続登記をせずに所在者不明土地になっているということは、様々な事情があるかと思いますが、

3年以内の遺産分割協議の成立が難しい場合は、「相続人申告登記制度」も義務化に伴い新設されていますので遺産分割が期限に間に合わない場合にもこちらを利用した相続登記の履行が必要となります。

また、「相続土地国庫帰属制度」についても同じく相続登記の義務化に伴い新しく創設され、昨年令和5年の4月から
スタートしています。
負担金の支払いがありますが、一定の要件を満たしていれば相続した土地を手放して国に引き取ってもらえる制度と
なっています。(相続土地国庫帰属制度については過去ブログに記載してあります)

その他、被相続人が居住していた家屋やその敷地等を売却する場合は、こちらについても一定の要件を満たせば
譲渡所得から3,000万円を特別控除することができる「空き家特例」というものがあります。

(相続人などが3人以上いる場合は2,000万円が上限となります。)

空き家特例の一定の要件については
・相続人が相続開始の日から3年を経過する日の属する年の1231日までに被相続人が居住していた家屋やその敷地を売却
・相続または遺贈により取得していること
・売却金額が1億円以下
・昭和56531日以前に建築されている
・区分所有建物登記されている建物でないこと
等あります。

空き家特例については令和5年度税制改正で見直され、改正前は譲渡日までに耐震基準に適合するように耐震改修や取り壊しを
しなくてはなりませんでしたが、令和61月以降に行う譲渡については譲渡の日の属する年の翌年215日までに耐震改修、取り壊しをすれば特例控除の対象となります。
(適用期限も令和61231日までとなりました)

適用要件などについては国税庁のホームページに「相続した空き家を売却した場合の特例チェックシート」が公開されていますので
特例を使いたい場合は一度確認をすると対象になるかわかりやすいかと思います。(現在は令和5年版)

川庄公認会計士事務所 平島


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