人事労務コラム - 2023-09-29

永年勤続表彰金の所得税、社会保険、労働保険の取扱い

長く勤める従業員への労いと感謝の気持ちを込めて贈られる永年勤続表彰金。

しかしこの制度は、社会保険や労働保険、所得税など多くの観点で複雑な取り扱いが必要です。

 

○所得税の取扱い

創業記念で支給する記念品や永年にわたって勤務している人の表彰に当たって支給する記念品などは、

次に掲げる要件をすべて満たしていれば、給与として課税しなくてもよいことになっています。

①勤続年数や地位などに照らし、社会一般的にみて相当な金額以内である。

②勤続年数がおおむね10年以上の人が対象である。

③同じ人の2度目以降の表彰の場合は、前回からおおむね5年以上あいている。

 

永年の勤続を表彰して現金や商品券などを支給する場合は、

その全額(商品券の場合は券面額)が給与として課税されます。

 

参考:国税庁ホームページ

【No.2591創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき】

 

○社会保険の取扱い

永年勤続表彰金は、金銭や金券、記念品等、いずれの形であっても、

少なくとも次のすべてを満たす場合は、原則として報酬や賞与には含まれず、

保険料の対象とする必要がありません。

 

①表彰の実施目的が、福利厚生や長期勤務の奨励である。

(例)リフレッシュ休暇も一緒に付与される場合などは、福利厚生としての側面が強いといえます。

②表彰の基準は、勤続年数のみを要件として、一律に支給される。

③社会通念上いわゆるお祝い金の範囲を超えておらず、表彰の間隔がおおむね5 年以上である。

 

参考:日本年金機構

標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集 問3

 

○労働保険の取扱い

労働保険(労災保険・雇用保険)においては、

「年功慰労金」「勤続褒賞金」は賃金に含まれないとされています。

名称は異なるものの、永年勤続表彰金も同様と判断できるため、

労働保険料の対象とする必要はありません。

 

参考:厚生労働省「労働保険対象賃金の範囲」

 

川庄公認会計士事務所  大薗


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